『ああ〜ん、あんあん』室井佑月、集英社文庫
室井佑月を読むのは始めて。室井佑月の中でもどうしてこの本か、というと、ネットのあちこちでちらちらと表紙を見る羽目に陥っていたからだ(その理由は、ここではあまり触れたくありません)。
……エッセイ集なんだけど、何かすごい。赤裸々というかあからさまと言うか開けっぴろげというか。もちろん全部ほめ言葉です。このエッセイの終了したあとの事情(あとがきに書いてある)。を考えても、なんか、やっぱり、ものすごいパワーなのだ。
作家の条件にはいろいろあるけど、この、闇雲なパワーというのは、実はその中でもかなり重要なものではないか、と感じてしまった。エッセイで、もちろん隠して書いてないことも、話を必然的に作ってしまっている部分もあるかもしれないけど、「普通ここまで書くか?」みたいなことが、あっけらかんと書いてある。
ある意味、究極のリアリズムだなと思いました。
エッセイなんだけど。ここまで自分を切り売りして大丈夫なんだろうか?私だったら死んでるな、というレベルで書けてしまえるのだから、ほんとうにすごい。皮肉じゃないです。尊敬してます。今度、小説も買います。読ませて頂きます。
この一文が室井さんの目に触れることはないだろうけど、とても私には実現不可能なパワフルさを発揮してこれからも書いていかれるであろう室井さんを応援していきたいです。かしこ。
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