『Difficult to Cure』Rainbow (1981)
レインボーというバンドについてそれほど良く知っているわけではないのだが、というか、メンバーがしょっちゅう入れ替わっているし音楽性は変わるしで、ある意味捉えどころがないのだ。
本作はアメリカ向けに前作に続けてキャッチーに作られたとかで、現在でも賛否両論の嵐であるが(といってもどのくらいの人がレインボーを知っているのか分からないけど)、私が聴いた限りでは確かにキャッチーかもしれないけどレインボーの顔(というかレインボーそのもの)のリッチー・ブラックモアのギターが独特の粘っこい哀愁ある音色を出しているので、明るくなりすぎない印象がある。というかアメリカみたいなはじけ方をしない。
このアルバムが最所にインパクトを与えるのはジャケットに違いない。気になる人は、「アイ・サレンダー」とかで検索してみてください。
友人によれば最所は"Difficult to Cure"を邦訳した『治療不可』というタイトル(この訳をした人を、ピンクフロイドの"Atom Heart Mother"を『原子心母』と訳した人と同じくらい尊敬する)だったらしいが、廉価版になったときに一曲目の『アイ・サレンダー』に変わったという。なぜだ。絶対に『治療不可』のほうが格好いいのに。
収録曲
1. I Surrender
2. Spotlight Kid
3. No Release
4. Magic
5. Vielleicht das Nachste Mal(Maybe Next Time)
6. Can't Happen Here
7. Freedom Fighter
8. Midtown Tunnes Vision
9. Difficult to Cure(Beethoven's Ninth)
メンバー
Ritchie Blackmore : Guitar
Don Airey : Keyboards
Roger Glover : Bass
Bob Rondinelli : Drums
Joe Lynn Turner : Lead and Backup Vocals
後半になるほどハードになる印象。8曲目はジミヘンっぽい。9曲目はベートーベンの第九を料理しました、というインストナンバー。これが『治療不可』。二度聴いた限りではやっぱり『治療不可』がいちばん好きだな。あの第九の歓喜の歌のメロディをリッチーが奏でたり、キーボードの人がオルガンソロに走ったり。ちょっとイカレてる。このへん割とマジでやってるYESなんかとは対照的な感じ。まあ、YESはプログレだし。
なお、本記事を書くにあたって「レインボー研究所」を参考にしました。何しろメンバーチェンジが激しいバンドなので。ツェッペリンみたいだと楽なんだけど。
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