『はつ恋』未映子 ビクターエンターテイメント
未映子さんはもともと別な名前で二年前にデビューしていたのですが、その後今の名前に変えて昨年末に「瞳ヴァイブレイション」という曲で再デビューしました。
で、この「はつ恋」はセカンドシングルということになるのですが、ファーストとは何もかもが違う、といってもいいくらい、違います。
いちばん単純な言葉で言ってしまえば、「肩の力が抜けた」ということだと、私は感じています。ファーストは決して悪くはなかったけど、ちょっと頑張りすぎているのじゃないかな、と余計な心配をしていました。でも、「はつ恋」ではまるで別人のようにおおらかに、力強く、歌っているではありませんか!
未映子さんはもとからとても歌のうまい方で、そして何よりも声が素晴らしいのです。
そのテクニックと声との絶妙なコンビネーションが、今作で一気に開花したという印象を受けました。
たとえばタイトル曲の「はつ恋」で聴かせるバラードは、聴覚以外のすべてを忘れさせてしまうくらい素晴らしいのです。彼女はこれまであまりこういう曲を歌ってこなかったので驚かされるましたが、あっという間にその世界に引き込まれてしまいました。。
シングルなので、収録されているのは3曲だけですが、ほかの2曲もこれまで以上に強いオーラを放っています。
あと、こういうことはあまり書かない方がいいのかもしれませんが、今まではバンドアンサンブルとかアレンジなどが、微妙にそぐわない感じがしていたのですが、今回はそれもぴったり合って、とても心地よいのです。完成度が高い、ということだけでなく、それにプラス・アルファがあるのです。それも、この作品を素晴らしいものにしている大事なファクターのひとつであることは間違いないと思います。
7月にはアルバムも出るので、そちらも今から楽しみでなりません。ぜひ多くの方に聴いて欲しいと思います。
収録曲
01.はつ恋
02.オレンジの火
03.愛よ もっと
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Comments
共感!!
はつ恋、有線で思いっきり流れていますね。嬉しいです。
そうなんですよね、はつ恋、未映子さんの一番いいところがやっと出始めた・・・そんな気がしています。
色々な楽曲に挑戦してゆく姿勢、例えばジョンレノンを敬愛している彼女だから、メロディアスであるのは勿論なんですが、
ロック的アプローチも当然彼女の要素としてあるでしょうし、(3曲目の愛よもっとなんてそうですよね!)
瞳~のような世界観も彼女にはあるんでしょうね。
でもやっぱり、未映子は声と歌詞、言葉なんだと思います。
それが伝わる最良の形が未映子スタイルだと思うのです。
僕は彼女の詩の連載や日記の愛読者でもあるんですが、
素晴らしいんですね。言葉について真摯に向かい合ってきた人だけが知るところがある。感じる。かといっていわゆる作詞家の枠ではない。よく判ってるんですね。ラインが。
詩と歌詞の彼女の世界観のい差も、彼女の言葉に対するスキルというか実力を窺わせるものです。
是非日記も一読をお薦めします。面白いですよ。
Posted by: 歩行 | 2004.06.29 09:40 PM
歩行さん、コメントありがとうございました。
そして、すっかり返事が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
未映子さんはかなりの読書家らしく、雑誌の連載(残念ながらその雑誌を見かけたことがないので未読なのですが)のタイトルが、「第九官界彷徨」!元ネタがすぐに分かる人がどのくらいいるかは分かりませんが、未映子さんの連載への取り組みが垣間見えるようで(連載見てないんですが)興味深いです。
やはり一度雑誌探して見てみないとだめですね。
たくさんの読書経験から得たたくさんの言葉のストックの中から慎重に選び取って作り出されたのが未映子さんの詞の世界なのかなと思ったり。
日記は私も読んでいます。鋭いな、と読みながらいつも思ってしまいます。言葉の世界にどっぷりと浸かった人だけが書けるような、そんな世界だという気がしています。
でも、やっぱり声と歌なんですよね。それを言葉がしっかりと支えている、というか。
先日シングルが発売された頃に東京でライブがあったのですが、いろいろあって行けませんでした。夏は大阪でライブをやるようですが、秋になったらまた東京でもやって欲しいなと思っています。
Posted by: まいまい | 2004.07.02 08:56 PM
おお、まいまいさん♪
関心空間を久々にチェックし、未映子嬢の再デビューを知り、Googleで検索かけたらここにたどり着きました(笑)。
早速インターネットで新譜を取り寄せようと思ってます~。
Posted by: をるが | 2004.07.03 03:45 PM
おひさしぶりです、をるがさん。
「はつ恋」はいいですよ。鳥肌立ちます。ある人に言わせれば、まだ本領を発揮しきっていないそうです。
7月7日にはフルアルバム「夢見る機械」(なんて素敵なタイトル!)が発売されるので、そちらもよろしく。
Posted by: まいまい | 2004.07.03 11:58 PM