『のだめカンタービレ #4』二ノ宮知子、講談社
「詩」について詳しいわけじゃないんだけど、「詩」が何であるかを知りたい人には高橋源一郎の『さようなら、ギャングたち』を勧めることにしている。「詩」を書いている人たちから見れば、それは間違った選択であるのかもしれないけど、少なくとも私はそれまでちっとも分からなかった「詩」というものが少しは分かるようになったのだ(あるいは分かるようになったような気がした)。
『のだめ』にもそんなところがあるんじゃないだろうか。今日、アマゾンに頼んでいた「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」の収録されたCDが届いてきた。夕食後、早速「ピアノ協奏曲」だけ聴いてみた(他にも何曲か収録されている)。
驚愕。その理由は『のだめ #5』の感想で明らかになるだろう。
4巻では、前半がシュトレーゼマンと千秋たちの通う音大の理事長との過去の繋がりに関わる話。後半は、千秋、のだめ、峰、真澄の四人がシュトレーゼマンとともに毎年長野で行われている「ニナ・ルッツ音楽祭」に参加する話(これって、アルゲリッチが大分(だっけ?)で行っているセミナーをモデルにしてるのかな?ニナ・ルッツってピアニストという設定だし)。
たぶん、この4巻以降千秋の運命は大きく変わっていくのではないかと思われる。
以下ネタバレ。
なぜのだめが千秋のパソコンに「みそ字」などというフォントを仕込んだのかは不明だが(というかのだめのすることはいつも不明だが)、千秋がネットで検索してみると、シュトレーゼマンは実はロンドンのホテルから失踪していたのだ!
それを探しに無理矢理大学の屋上にヘリを着陸させて巨匠を捕獲しに来た秘書のエリーゼ。シュトレーゼマンはそのまま本国に送還されてしまう。
のだが、二日後には自家用ジェットをハイジャックしてまた日本へ。その理由やいかに?
学生時代に恋をした理事長に会いに来るため?(理事長は留学生時代絶世の美女だったが、その後激太りして、病気痩せしてまたきれいになった。とてもシュトレーゼマンと同じくらいの歳には見えないんですけど……十歳くらい若く見えるよん)
秘書のエリーゼの話によれば、シュトレーゼマンは頼まれても弟子を取らない、それなのに千秋は弟子にしてもらった。だから日本に留まろうとしているのではないかと。
シュトレーゼマンは理事長に頼まれて日本に指導に来て、千秋を見いだしてしまったのだ。それから、若き日の自分のような、のだめも。
海の話はとりあえずいいことにして(千秋はここで二度目の溺れる体験をする……だんだんクールなキャラが壊れていく(笑))、「ニナ・ルッツ音楽祭」。千秋はシュトレーゼマンの弟子として参加、のはずだったのに、秘書のエリーゼが休暇を取って千秋に巨匠の世話を任せて姿を消してしまう(シュトレーゼマンの取扱説明書とかエロ対策関連のマニュアルって(笑))。千秋はマネージャーというよりも付き人か世話係の仕事を押しつけられたのだ(笑)。ぐでんぐでんに酔っぱらった巨匠をホテルまで負ぶっていき、寝せつける。
でもここからが千秋らしいところで、その晩のうちに音楽祭でやる学生オケの曲を勉強しておくのだ。
翌日からは楽器ごとにマスタークラスに分かれて各自参加、のだめは千秋のことばかり考えていて、ピアノの練習もしてこなかったし、他の学生の演奏も聴いていなかったので全く演奏できず、講師のニナ・ルッツに出て行きなさい、と言われてしまう。
真澄は音楽祭の性質を良く理解していたので、前もって十分な練習をして、成果を上げる。
峰はやっぱりぜんぜん練習してこなくて、学生オケの曲を初見で弾く羽目に陥ってしまい、自信喪失する。
学生オケの練習に姿を見せたシュトレーゼマンはよれよれ(二日酔い)で、千秋は下呂係りをする羽目に。バケツを持って待機(泣)。
のだめは昼休みに千秋を見つけるが(禁断症状が出ているのがすごい!)、愚痴をこぼしたら千秋につれなくされた。帰れ、と。それが、あとでのだめを狂わせる(?)のだが。
シュトレーゼマンの二日酔いは午後になっても治らず、千秋がその午後の指揮を任せられることに。それが雑誌記者の目にとまった(たぶん後の巻に影響を与える)。関係者をも驚かせた。千秋自身は巧い学生オーケストラを指揮することに楽しさを感じる。
峰は自分と千秋との距離に愕然とするが、そこであきらめないのはさすが。コテージに戻ってから練習をする。それに心を動かされた真澄がジュースでも買いに行こうかと外へ出たところで目撃したものは……夜なのに外へ出てオランウータン化したのだめの姿だった。
もちろんそれはのだめ流のピアノの練習なのだが……
音楽祭の終わったあとのパーティーで、千秋は真澄からそのことを聞く。それからニナ・ルッツ本人に(父親がピアニストだから、子供の頃から知っているのだろう)のだめのことを聞く。ニナは、のだめに音楽に対する情熱がないと言った。一度追い出してから二度と来ないのだから、そう解釈されても当然なのだが、そのニナを驚かせるのがのだめだであることを、ニナも、のだめも、千秋も、結局誰も知らないうちに終わってしまう。
別れの挨拶をしているとき、課題曲のバルトークを誰かが弾いているのにニナは気付いた。急いで駆けつけると、そこには誰もいなかった……
千秋はシュトレーゼマンに与えられた次の課題――ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番――に取り組む決意を新たにする。
で、さっきこの曲を聞いてみたんだけど、ものすごく難しそうなんですけど……今現在のプロのピアニストは全員弾けなきゃならないだろうけど、ラフマニノフの時代にはこれを弾きこなせるピアニストはそんなにいなかったんじゃないだろうか。根拠が無くてそういってるんじゃない。
うちには「ツィゴイネルワイゼン」ばかり入ってるコンピレーション盤があるんだけど、サラサーテから順番にいろいろ入ってるんだけど、間違ってたり弾けてねーだろ?みたいのが結構収録されていたりするのだよね。たぶん、演奏者に要求される技術というのはこの百年の間にものすごく向上しているのじゃないかと思うのだ。
あと、この巻にはのだめの子供時代の話が入っているのだけど、可哀想なリカちゃん先生!生徒は三人しかいないし、一人はリズムが分からないし、一人は滅茶苦茶にしか弾かないし、もう一人ののだめは鍵盤に触ろうともしない。
でものだめの才能はこのころからすごいものがあって、まえのピアノ教室を辞めさせられたのだって、要するに「海外留学しろ」ということなのだから。
のだめのことをつい怒って、それは自分が悪いのだと泣き寝入りしてしまったところで、のだめはリカちゃん先生が子守歌に弾いてくれていた、ショパンの幻想即興曲を弾いてみせる。このころから、ものすごく耳がよかったのだ。先天的なものなんだろう。
最後のページの親子の会話が気になるのだが、このあとのだめは海外留学することになるんだろうか?今後のだめの過去が明らかになるのか?もう少し読み進めてみないとわからない。
曲目リスト
・ブラームス 交響曲(?)
・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
・ショパン (不明)
・バルトーク (ピアノ)組曲作品14BB70(Sz62)←違うかも
・ドヴォルザーク 交響曲第5番ヘ長調作品76
・モーツァルト キラキラ星変奏曲(どの変奏か分からない……)
・ショパン 幻想即興曲嬰ハ短調作品66
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