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2004.10.23

未映子ワンマンライヴ@STAR PINE'S CAFE

 10月20日はいろいろあってものすごく濃かった一日。台風直撃だし。その締めくくりが未映子嬢の初ワンマンライヴ。

 20分くらい遅れて始まったライヴは、先日のアコースティックライヴとは違った、なんていったらいいのかな、どっちもものすごくストレートなんだけど、アコースティックライヴがストイシズムならば、バンド編成の今回のライヴはカラフル花盛り。メンバーをいろいろ入れ替えたりとかして。

 衣装はすっごく可愛かった。でも最初の方は衣装がちょっと気になってたみたいだけど、「ローズ」を歌ったあたりからなんか吹っ切れた感じ。「ローズ」、すごくよかった。何か降りてきてた。確実に。

 それから、「37.2℃」(この曲もすごく好き)でR&Bなピアノを聞かせてくれた人(実はレコーディング全曲で弾いてたらしい)が出てきてくれたのが、ちょっと嬉しかった。「魔法飛行」はすごく好きな曲で、聴くことができてとても嬉しかった。でも、プリマさんに先に書かれたのがちょっと悔しい。

 あと、MCでいろいろしゃべってくれたけど、なんていうか、ものすごく良く分かるっていうか。ああ、そういう生き方してもいいんだなって。なんか、最近年下の人から教わることの方が多くなってきた。歳取ったからかな。うん、わたしもそんなふうに生きたいんだよ。いま壊れてるけど。ぎりぎりのところで。

 そいえば、夕暮れとか午前四時頃とかにポエムとか詩とか書きたくなりません? って言ってたけど、私はちょうどその中間くらいの時間に散文を書きまくっている。っていいたいけど、いま壊れてるので、書きまくるまではいかないけど。でもそういうのってありなんだ。

 そういうのを朝になってから読んで赤面してるようじゃ、ぎりぎりじゃないと思うんだよね。って全然関係ないことを書いているけど。でもそうなんだよ。

 聴いてる最中は大脳が全然関係ないことを考えていたり中身が真っ白になったりしてたりするんだけど(もちろん歌詞も聴いている)、マルチタスクなので、身体が勝手に動いてしまう。私は弾けると言えるほどではない楽器弾きなんだけど、なんか、曲によってピアノ弾いたりベース弾いたりギター弾いたりしてた。ドラムスは経験無いのでできなかったけど。

 アンコール前のいちばん最後の曲が「ゆく河の流れは、この心とおなじ」どの曲もすごく好きなんだけど、私はあのアルバムの中ではこの曲がいちばん好きかもしれない。その頃には大脳がどういう状態になっていたフか良く分からない。周囲から見たらアヤシイ人にしか見えなかったかもしれない。知らないうちに身体を固くして、未映子さんの顔を見るでもなく、どこを見るでもなく、「うた」を聴くことに「集中」していたというか。そう、曲によって身体が動いてしまったり、全くその逆に、動けなくなってしまったりするから不思議。当たり前なんだけど、すごく不思議。

 アンコールの一曲目は、カヴァーで、とてもよく知ってる曲だったんだけど、タイトルが今日になっても思い出せない。脳がもう駄目なのか? すごくカワイイっていうか、あの曲って感じなんだ。カヴァー歌うと、何か降りて来るみたい。

 未映子さんはいわゆる実力派シンガーよりも実はすごくうまいと思うんだけど(こらこら、そういうことを書くんじゃありません)、それはいわゆる歌唱力というよりも、果てしなく「想像力」に近い何かだと思うんだ。

 最後は「悲しみを撃つ手」。もうほとんどぎりぎりで、泣きそうになった。未映子さんも泣きそうになっているように見えた。きっと少し共鳴していた。微妙にうなりながら。正確なAの音叉の未映子さんと、少し狂った私のAの音叉。

 きちんとしたレビューを書こうと思う人は、こんな文章書いてちゃ駄目だからね。

 でも、セットリストとか、そういうのヘもういいんだ、私は。それよりも、最初失敗しちゃって、それからちょっと撚れながら、一回会わせただけというピアノ伴奏の新曲とかの、あの感じ。それでいいんだ。

 ひとつだけ技術的なことを書くと、ヴォーカルのモニタがかなり苦しい状況にあったんじゃないのかな。それにしては、初のワンマンで、あの環境で、あそこまで歌えるなんて、やっぱり「タダモノ」ではないと思います。

 もう、すっかりやられてしまってます。だめです。また、ライヴやってください。そしていつかはライヴアルバムも出してください。DVDじゃない方がいいです。未映子さんに見とれることなく聴くことに集中できるから。結局、目じゃなくて、耳で見ていることに今回気が付きました。

 すっかり駄目駄目になっていたのだけど(電車に乗れなくてタクシーで行った)、抗鬱剤もすごく良い感じに効いて、身体は疲れてしまっていたけど(帰りもタクシー)、心は元気になりました。健康になった、って言ってもいいかもしれない。

 ありがとう。ほかに言葉が見つかりません。

 
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 追記。セットリストの「うた」は新曲のなまえです。

 さらに追記。をるがさんはヘビーローテーションで「夢見る機械」を聴いてらっしゃるとか。私は頭の中で牛のように反芻する日々。聴きたいけど、聴く時間がなくて。明日というか今日は聴けそう。嬉しい。

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2004.10.05

『ロングシーズン』佐藤伸治著、河出書房新社

 ブログの検索にフィッシュマンズの詞、というのが引っ掛かっていたので、これを紹介しておきます。実は私、持ってないんです。でも、こういうの書いちゃったら買わなくっちゃだよね。だいたい、フィッシュマンズのCD全部集めてないし。まだ、ポリドールだけ。でも、マキシとかシングルはまだなんだよね。ポニーキャニオンはこれから。なぜかって?いろんな音楽を聴きたいし、何といっても経済問題。なかなか買えない。廃盤にならないうちに、月に一枚ずつでも買おうかな。

 そこでこの詩集というか詞集というかなんだけど、たしか佐藤伸治の書いたすべての詩・詞が収録されているんだと思った(間違ってたらごめん。買ったら確かめてみる)。楽曲はもちろんなんだけど、佐藤伸治の詩・詞の世界に浸ってみる、溺れてしまう、というのはたぶんある人たちにしかできないことだと思うんだけど、もし検索掛けてきた人がそうなってしまっても責任取れないけど(二度と元へは戻れない)、それは此岸にいながら彼岸を思い、彼岸にいながら此岸を思うような(決して「幸福」という言葉は使いたくないので迂遠な表現になってしまっているのだけど)、あるいは今の季節なら考え事をしながら歩いていたら突然金木犀の匂いに包まれていた、というような体験だ。

 今の私に書けるのはここまで。買っちゃったら書き加えるね。

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 手に入れました

 すべての詩・詞に目を通したわけじゃないけど
 いちおう大まかな年代順に三つの章に区切られていて
 最初から順番に読んでいくのも悪くないかもしれないけど
 適当に開いたページに
 書かれている詩・詞を読めばそれでいいんじゃないかなって
 気もするんだよ

 本の最後に
 JASRACのシールが貼ってあるけど
 これは必要悪?

 仕方ないから
 JASRACのお目こぼしを願って
 帯に書かれている「新しい人」の一部を引用するよ
 そうすることは誰にとってもよいことだと
 JASRACにとってもよいことだと
 信じて
 引用するよ。

音楽はなんのために 鳴りひびきゃいいの
こんなにも静かな世界では
心ふるわす人たちに 手紙を待つあの人に
届けばいいのにね

 たった四行だけど、きっと誰かの心をふるわせると
 信じて疑わない

 それから
 もしこの本をどこかで見かけることがあったら
 どうしても
 手に取ってみてください

 もしあなたの心がふるえたら
 あなたはフィッシュマンズにとらえられてしまうだろうし
 もしあなたの心がふるえなかチたら
 フィッシュマンズはあなたから永遠に逃れてしまうかもしれない

 少し悲しいけど
 そうなんだと思う

 そしてもし、佐藤伸治の歌
 フィッシュマンズの世界に触れてみたいと思ったら
 とりあえず
 ポリドール時代のベスト
 「Aloha Polydor」
 あたりを
 少なくとも三回は聴いてみてください
 
 もしあなたの心がふるえたら
 あなたはフィッシュマンズにとらえられてしまうだろうし
 もしあなたの心がふるえなかったら
 フィッシュマンズはあなたから永遠に逃れてしまうかもしれない

 少し悲しいけど
 そうなんだと思う

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2004.10.03

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG #13, #14 (7)

 #13 MAKE UP
 #14 POKER FACE

 今回は、「個別の十一人」が自決したところから始まる。そしてただ一人生き残った男、クゼ。

 だが、今回の主役はパズとサイトーだ。ちょっと寄り道だけど、なかなか渋くて個人的には好きかな。こないだの#12『草迷宮』はちょっと此岸と彼岸のインターフェイスに少しだけ違和感を感じたけど、あれも好きだったな。でも、独立系の話でやっぱりいちばんよかったのは、1stの「タチコマの家出」かもしれないな。

 でも、攻殻の音楽ってほんといいね。菅野さんのセンスって素晴らしい。サントラ欲しい。

 以下ネタバレ。

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