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2006.03.29

『対談・文学と人生』小島信夫・森敦、講談社文芸文庫

 小島信夫の怪作『別れる理由』連載終了直後に一年間に渡って行われた対談。小島信夫も森敦も知らない人は適当にぐぐるかアマゾンでも覗いて見て欲しい。

 構成は全十二回、各回の後ろに小島信夫の「追記」が付くという構成になっている。実はこれが曲者で、最初は昔話みたいなところから始まっていくのだが(大量の個人名が出てくる)、対談しているうちにまた同じ言葉が出てきたりするのだが、それがフラッシュバックではなく、ある種の反復として出てくる。言い換えれば、たとえばだが、同じ言葉が異なる角度から論ぜられるということになる。

 それが、対談の中で論ぜられていることと対応して実に奇妙なことになってくる。最初は外から対談を見ているはずだったのに、まるで小説を読んでいるときのように引きずり込まれてしまうのだ。

 そのあたりのことについては対談で詳しく述べられているので(これも奇妙なことなのだが)省略するが、読者と対話している二人(それはあたかも小説の登場人物のようである)との境界がどんどん曖昧になってくる。

 そして最後に読者は放り出される。どこへ?

 あと、少しだけ触れておきたいのは、もう少し若い頃の二人が同じ写真に収まっていて、同性愛のように見える、という件があることと、柄谷行人について二人の一致した見解として「なまめかしい」というのが出てくるのが個人的に萌えだなと(笑)。

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