『END OF THE CENTURY』
ラモーンズのドキュメンタリー映画。
オリジナル・メンバーも平気でインタビューに答えたりしてるんだけど、実はドラマーを除いてすべて他界している。みんな五十前後だったと思う。
バンドにありがちなメンバー間の確執、脱退、各メンバーの抱えている問題(酒・ドラッグ・強迫神経症・女・などなど)が、過去のことのせいか割と淡々と語られていく。だが、時々言葉に詰まりながら。
NYCのCBGBでデビューするのだが、そのサウンドはそれまでにない革新的なものだった。それがパンクロックの始まりだった、と言えるのはいまだからこそ。
しかし国内ではちっともレコードが売れず、うんざりするようなツアーを続ける羽目に。そして彼らの影響を受けたバンドのレコードは売れる。
海外では話は別だ。英国ではものすごく受けた。英国でのエピソードで凄いのは、ラモーンズ、ピストルズ、クラッシュの三つのバンドが一同に会した瞬間があったというもの。ジョニー・ロットンはラモーンズに殴られるんじゃないかと怯えていたとか。ジョニーのほうが見た目は怖いけどな。シドほどじゃないとしても。
結局バンドは商業的に成功しないまま解散する。21年の活動の後。後にロックの殿堂入りを果たす。偉大だが貧乏から抜け出せなかったラモーンズ。
初期の映像が残っていて、それを見ることができたが、エネルギーに満ちていて、まさにロックンロール。パンク。スタイルもだけど、何といっても音が。ラウドであることは素晴らしい(難聴になるけどね)。
ラモーンズやあの頃のパンクロックのファンは必見。それ以外の人は見てもあまりよく分からないと思う。