2004.12.13

『END OF THE CENTURY』

 ラモーンズのドキュメンタリー映画。

 オリジナル・メンバーも平気でインタビューに答えたりしてるんだけど、実はドラマーを除いてすべて他界している。みんな五十前後だったと思う。

 バンドにありがちなメンバー間の確執、脱退、各メンバーの抱えている問題(酒・ドラッグ・強迫神経症・女・などなど)が、過去のことのせいか割と淡々と語られていく。だが、時々言葉に詰まりながら。

 NYCのCBGBでデビューするのだが、そのサウンドはそれまでにない革新的なものだった。それがパンクロックの始まりだった、と言えるのはいまだからこそ。

 しかし国内ではちっともレコードが売れず、うんざりするようなツアーを続ける羽目に。そして彼らの影響を受けたバンドのレコードは売れる。

 海外では話は別だ。英国ではものすごく受けた。英国でのエピソードで凄いのは、ラモーンズ、ピストルズ、クラッシュの三つのバンドが一同に会した瞬間があったというもの。ジョニー・ロットンはラモーンズに殴られるんじゃないかと怯えていたとか。ジョニーのほうが見た目は怖いけどな。シドほどじゃないとしても。

 結局バンドは商業的に成功しないまま解散する。21年の活動の後。後にロックの殿堂入りを果たす。偉大だが貧乏から抜け出せなかったラモーンズ。

 初期の映像が残っていて、それを見ることができたが、エネルギーに満ちていて、まさにロックンロール。パンク。スタイルもだけど、何といっても音が。ラウドであることは素晴らしい(難聴になるけどね)。

 ラモーンズやあの頃のパンクロックのファンは必見。それ以外の人は見てもあまりよく分からないと思う。

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2004.09.22

バイオハザードII アポカリプス

『バイオハザード』の続編。なぜ前回の終わりのような状態にラクーンシティがなってしまったのか、というところから物語は始まる。そしてアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が目覚めて、街があのような状態になっているところから話が進んでいく。

 あと、以下のサイトにトラックバックさせていただきました。

 ・おふうの笑えるぼやき
 ・読書日和

 公式サイト

 以下ネタバレ。

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2004.08.23

華氏911

 見終えたとき、激怒していた。でもタランティーノの言葉も理解できた。全くその通りだ。

 たぶんすでに多くの人が優れたレビューを書いていると思うので、私は最小限にとどめようと思う。どうせたいしたことは書けないし。だいたい、米国オールスターキャスト総出演なのに、必ずしも顔を知らなかったりするのだから。ニュース見ないとだめだね。

 でも、この映画はそういう人たちを対象に作られている。米国でいえば選挙に行かない人たち。政事に興味なし。職なし。十分な教育を受け損なっている人たち。様々な理由(人種とか、出自とか、思想信条とか、いろいろ)で米国にいながら米国から閉め出された人たち。

 ムーアによれば、そういう人たちの方が米国では多いらしい。多数派意見が反映されない民主主義。

(以下多少ネタバレあり。)

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2004.08.10

ドリーマーズ

 1968年の五月革命(これって本はたくさん出てるんだけど、詳しく解説している日本語のウェブサイトがないのはなぜ?常識だから?)前夜、アメリカからフランスに留学してきたマシュー(マイケル・ピット)が、美しい双子の姉イザベル(エヴァ・グリーン)と弟のテオ(ルイ・ガレル:映画監督フィリップ・ガレルの息子。若き日のシド・バレットと何となく似ている)と出会い、彼らの両親が休暇を取っていなくなったアパルトマンで同居生活を始める。

(以下、ストーリー的にはネタバレしてると言えるかもしれませんので注意してください。)


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2004.08.02

『THE PINK FLOYD & SYD BARRETT STORY』(BBC 2001,DVD)

(発売・販売:ナウオンメディア株式会社)

 いかにもBBCらしい手堅いドキュメンタリー。シド・バレットの熱狂的なファンなら先日紹介した『クレイジー・ダイアモンド/シド・バレット』と共に手元に置いておきたい。

 あるいは、シド・バレットのファンなのに動いているシドを見たことの無い人にも勧めてもいいかもしれない。

 ただし、ライブ映像を期待すると少々がっかりすることになる。というのも、あくまでもドキュメンタリーなので、映像は切り刻まれて挿入されるに留まっているからだ。

 内容的には本と重複するので割愛するが(もちろん本の方が情報量は圧倒的に多い)、"WISH YOU WERE HERE"の録音中にシドがスタジオに現れたというエピソードは、本よりもずっと生々しく伝わってくる。その理由は言うまでもないが、メンバーに直接インタビューしたからに他ならない。文字だけではどうしても伝わってこない機微が感じ取れるのだ。

 同じ理由で、メンバーのシドに対する思いの大きさもよく伝わってくる。特にロジャー・ウォーターズとデイヴィッド・ギルモア。この二人はずっとシドの影を引きずって行くことになるのだろう。

 ところで、このソフトに対する不満もある。というよりも、私たちはこれとは別のソフトをも欲しているのだ。

 初期フロイドの映像は、私の知らないものも含めて結構あるようで、それらが断片的にドキュメンタリーに使われるのは正しいが、シドのファンが本当に欲しいのは、断片化される前の映像なのだ。たとえそれらの映像の保存状態が多少悪くても、途切れた不完全なものであったとしても。それらが可能なだけ収録されたソフト。

 たとえば、"Interstellar overdrive"の映像は完璧に近いものが存在するし、このドキュメンタリーの冒頭では"Pow R. Toc H."の映像の一部が使われていたし、そのほかにも初期フロイドのメンバーが映っている映像がいくつも使われていた。それらがたとえ断片の寄せ集めのソフトであったとしても、高価だとしても、シドのファンは間違いなく買うだろう。

 音源の方は出尽くした感があるので、映像の方もぜひ何とかして欲しいのだ。それが存在するのだから、不可能ではないはずだ。

 ところで、ドキュメンタリーの中のデイヴ・ギルモアの証言で驚愕すべきものがあって、最後のソロ・アルバム、"BARRETT"に収録されている"DOMINO"という曲のヴァイオリン奏法(ボリュームペダルでギターのアタック音をなくす演奏法)みたいに聞こえるバックに流れるギターソロは、なんとテープを逆回転させてシドがギターを弾いたのだという。もちろん他の誰の耳にもテープを逆に回した音にしか聞こえない。でもシドにはそれがどうなっているか分かっていたらしい。シドに振り回されっぱなしで疲れ果てているギルモアやスタッフの中で、シド自身は自らのサウンドの追求を続けていたのだ……


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 もしかしたら
 わんdaふるわーるどさん
 ちぇるしーほてるさん
 の参考になるかもしれないので、トラックバックさせて頂きます。


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2004.08.01

マッハ!!!!!!!!……感想

 マッハだった。人間技とは思えない、というよりも人間技の極限が表現されていた。エンディングにメイキングが少しだけ流れるのだが、たいへんそうだ。予告編でやっていた脚を炎に包まれながら蹴りを入れる場面とか。確かに、「熱くても、頑張ります!」だ。ワイヤーアクションも早回しなどの特別な編集も加えることもないのに速い!速すぎて見えない。ほんとにマッハだ。その代わりそういうシーンをスローモーションで見せてくれるなど、サービスに怠りはない。

 個人的見解では「エアマスター」を地でいっているといってもいいかも(「エアマスター」については今度書きます)。その意味では信じがたい。

 ストーリーは笑いを取るようなものでもなく、変で笑えるという部分もほとんどない。ちょっと変なところもあったような気もするけど。でも、そんなことはどうでもいい。主人公の超絶的な強さとか運動神経とかアクションを堪能すればいいのだと思う。超絶的場面の出し惜しみ無し。

 ストーリーの骨格は単純だ。「オンバク」という村の守り神の仏像の首が、ドンというその村出身の男に盗まれる。それを奪還するために主人公ティンはドンのいるバンコクへと向かう、というもの。そのバンコクとその周辺でありとあらゆるアクションが繰り広げられる。果たしてオンバクの首は奪還できるのか。まあ、ラストは想像付くと思うけど。

 以下ちょっとネタバレ。順不同だけどごめん。それから公式サイト

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2004.07.19

リヴ・フォーエヴァー

 オアシスとブラーの二大バンドを中心に、90年代半ばのブリット・ポップ・ブームを回顧したドキュメンタリー。

 個人的には当時英国音楽からやや離れていたので知らないことばかりだったが(オアシスってまともに聞いたこと一度もないんだよね)、とても興味深かった。オアシスのギャラガー兄弟の馬鹿ぶりとか(笑)いや、笑ってる場合じゃないんだけどね。

 しかし、イギリスって国は未だにブルーカラー/ホワイトカラーがはっきり分かれてるんだね。ギャラガー兄弟は典型的なブルーカラー出身。ブラーのデーモンは中産階級の出身。そういうところも争点にされてしまうのが恐ろしいところ。

 ブラーはどファーストアルバムを買ったんだけど、あんまりピンと来なくてそのうち忘れてしまった。今探してみたけど行方不明。別な場所に置いてあるのかな?それとも売っちゃったんだろうか?売った記憶はないんだけど。

 で、ブリットポップという言葉が使われ始めたのが93年らしいんだけど、ちょうどその少し前からいわゆるマンチェスター・ムーブメントの衰退とともにインディース全体がが衰退して、当時読んでた「REMIX」誌もバンド系からクラブ系へとシフトし始めたのも影響しているかもしれない。

 クラブ系音楽はクラブに行かない私にはあまり興味がなかったので、「REMIX」も買わなくなってしまったんだったと思う。何しろ昔のことなので、記憶があやふやだ。

 ブリット・ポップ・ブームの火付け役となったのがストーン・ローゼズなんだけど、その辺までは知ってるんだよね。新しい予感。でも、それまでもインディースのレベルではかなり興味深いことは起こっていたのだけどね。まあ、それはこの映画とは関係ないけど。

 あと、クスリがEからコカインへと変化していった、というのは興味深い。E(エクスタシー)はどちらかというとソフトなんだけど、コカインはマジでヤバイ、つまりだんだん強い刺激を求めるようになっていった、ってことなんだろうね。

 で、映画ではオアシスとブラーがメディアに踊らさせれてムーブメントの中心を担っていくところを描いているわけなんだけど、当然当事者はまだみんな現役なので本人たちにインタビューするわけだ。年齢調べたら、当時はみんな二十代なんだけど、今ではいちばん若いリアム・ギャラガーでも三十過ぎてる。デーモンは三十後半に差し掛かったところなんだけど、がっかりするほどおじさんになってしまってる。……ファースト出した頃はこんなじゃなかったんだよ。

 オアシスとかブラーにハマってた人は一見の価値あり。でも、デーモンのおじさんぶりにはがっかりするかもしれない。

 英国音楽事情に興味ない人は、見ても時間の浪費だと思う。

 しかし、全然知らなかったけど、オアシスってクリエイション・レーベルと契約してたんだね。恐るべし、アラン・マッギー。クリエイションって今もあるのかな?

 もっと適切なレビューが新宿電脳旅団にあるので、そちらも参考にして。

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2004.06.19

マッハ!!!!!!!!

 いま、いちばん気になる映画。感想中心のブログだけど、たまには逆もいいでしょ?

 キューティーハニーを見に行ったとき予告編をやってたのだけど、五つの誓いを立てていました。要するにハリウッド的なギミックは使わない、ということと、主役は俺様、最強の格闘技、ムエタイで戦うということ。詳しくは公式サイトを参照してください。

 いい意味でのバカ映画だったら最高だろうとすごく期待してるんですけど、サイトも変に熱いし、何かが歪んでるし(笑)。あの仏像は?それからあの三輪車のタクシー(なんていうんだっけ?)は????????

 予告編の最後では、みんな爆笑してました。その予告編も公式サイトから見れます。

 「マッハ!!!!!!!!」公式サイト

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2004.06.15

キューティーハニー

 冒頭最初に思いついた言葉は「お色気」。なんて懐かしい言葉!死語でしょうね。ハニーがバスタブに浸かってるだけで漂ってくる「お色気」。ぜんぜんエロティックじゃない。キュート、って言い換えてもいいかもね。これって今時すごいことだと思わない?

 全編に渡ってお色気キュートはもちろん、カラフル、微妙にレトロ。みんな携帯使ってるのに。ちなみにハニーの携帯はAUだった。冒頭大写しにされてました。他の人もAUなんだろうな。

 で、おバカだったりベタなギャグだったりするけど、笑える。派手にぶっ壊す部分には全く「タメ」がい。ひたすらスピーディー。だから笑えるし「泣き」が入らないんだよね。そう、70年代テイストなんだけど、まさに21世紀初頭に相応しいテクニックに裏付けられている。「タメ」も「泣き」も歴史的には素晴らしい技だったけど、やっぱり今それをやっちゃうと映画自体が色褪せちゃう。

 物語はハニーの父親を殺した悪の組織パンサークローと戦うというもの。ハニーは普段は間抜け(というか仕事しろよ!)で孤独なOLだけど、ことが起これば愛の戦士キューティーハニーに変身。

 如月ハニーは事故で死んだのを父親によって蘇させられたアンドロイド。だから過去の記憶はない。ハニーの、孤独とともにもう一つの影の部分。

 首のチョーカーに触れて「ハニーフラッシュ!」と叫ぶと変身できるのだが、エネルギーが足りないと変身できない。そのエネルギー源というものが……ネタバレするから書かないけど、個人的にはツボ。

 戦いは冒頭からあっという間に始まってしまうので息つく暇もないというか素晴らしいテンポ感。

 で、戦いは結構ギャグ。おバカ。そして何度も言うようにスピーディーだからだれないし。飽きない。飽きてる暇がない。

 最初の戦いで女警部秋夏子(すごい名前!)と知り合い、なっちゃん(謎の新聞記者早見青児に「なっちゃん」と呼ばれてからそれが定着してしまう)がハニーを執拗に追ううちに、プライドが高くて(ハニーと同じように孤独で)人を寄せ付けない性格なのに、ある事件をきっかけに、少しずつハニーに心を開いていく。個人的にはこの過程にいちばんぐっと来てしまいました。ちょっと泣けた。あ、以前に書いた「泣き」とは違うからね。

 そして戦いを重ねながら、ラストへと向かうわけだが、あのラストも個人的には泣けた。あ、ラストって、最後の戦いのところね。

 もちろん最後は大団円。ハッピーエンド。あっという間に終わっちゃったっていう寂しさがちょっとだけ残るところがいいね。

 ひとつだけ不満。私が見に行ったのは平日の昼間だったんだけど、映画館がらがら。もっとみんな見に行ってよ!


(本文は公式サイトを参考に書きました。)

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2004.05.25

Kill Bill vol.2

 やっと見に行きました。

 気が付いたらほとんどの映画館での上映が終わってて、ものすごく焦りました。調べたらまだいくつかの映画館で上映されていたので、無事見ることができました。

 あと今回初めて金券ショップというのを利用したのですが、私のような貧乏人にはありがたいです。次回も利用するかな。あ、でもしばらく見たい映画がないかも。何か私の好きそうな映画があったら誰か教えてください。ちなみにいわゆる純愛映画とか青春映画(いわゆる、でなければ可)とか子供が主人公みたいな映画とか以外なら、だいたい楽しめます。あと、ファンタジーも苦手か……結構好き嫌いあるな。

 感想ですが、何を書いてもネタバレするので難しいな。期待を裏切らなかったのは確か、というか、やっぱりすごくよかった。バイオレンスなシーンはやっぱり最高です。

 ただ(微妙にネタバレ的になるのだけど)最後の方でテンポの緩急が突然変わって、それに私の脳の演算速度が付いていけなかった面があって、あれあれあれ?って感じになってしまった。

 それが、今日になってから分かってきて、じーんと来ているというか、喜びを噛みしめているというか、どうして私の脳はこんなにとろいの?って悔やんでみたり。

 もっかい見たいなあ。DVD待ちかな。ちなみにvol.1は限定ボックス持ってます。vol.2も限定ボックス出るだろうか?出るとしたらおまけは何?アイパッチ?(笑)

 なんか、映画たくさん見て批評とか書いてる人とかには評判悪いらしいけど、関係ないっす。私が神。

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